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IT投資評価と採算性分析の実務|損益分岐点(BEP)・変動費率・ROI・回収期間計算

公開: 2026-10-03更新: 2026-10-05
情報セキュリティマネジメント(SG)の投資と採算を確認するを学習。同じ期間の売上・費用を使い、利益率と回収期間を区別します。比較表とオリジナルの事例問題で、用語の違いや対策を選ぶ根拠を確認します。

投資と採算を確認するでは、同じ期間の売上・費用を使い、利益率と回収期間を区別します。用語を覚えるだけでなく、事例の条件に合う対策を選べるように整理しましょう。

科目Aで基本的な意味を確認し、科目Bでは「守る情報・起きた事象・組織のルール・担当者の権限」を読み取ります。本文の確認問題は、考え方を練習するためのオリジナル問題です。

1. 損益分岐点(BEP)の基本概念と計算公式

損益分岐点(Break-Even Point:BEP)とは、売上高と総費用(コスト)がちょうど等しくなり、「利益も損失もゼロ(プラマイゼロ)」となる売上高のことです。

費用

この計算での意味

注意

固定費

想定した期間・活動量の範囲では売上等によらず一定

人件費やクラウド費が常に固定費になるとは限らない

変動費

想定した範囲で売上や利用量に比例して変わる

契約の固定部分と従量部分など、条件を確認する

損益分岐点の計算公式マスター

  • 限界利益 = 売上高 - 変動費

  • 限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高 = 1 - 変動費率

  • 変動費率 = 変動費 ÷ 売上高

  • 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率 = 固定費 ÷ (1 - 変動費率)

2. IT投資効果の主要評価指標(ROI・回収期間)

指標

基本的な計算

確認する条件

ROI

対象期間の利益÷投資額×100

利益の範囲と期間をそろえる。この演習では1年間の純削減効果を使う

投資回収期間

初期投資÷毎年一定の純キャッシュフロー

毎年一定、割引や残存価値を考慮しない場合の簡易式

TCO

導入・運用・教育・保守・廃棄等の対象期間の総費用

初期費用だけで比較しない

3. 科目B形式実戦シナリオ演習

演習1:損益分岐点売上高と変動費削減効果の計算

〔背景〕クラウドサービス事業を展開するQ社では、年間売上高が1億円、年間の固定費が3,000万円、変動費が5,000万円となっている。

〔設問〕Q社における現在の「損益分岐点売上高」として、正しいものはどれか。

  • ア:5,000万円

  • イ:6,000万円

  • ウ:7,500万円

  • エ:8,000万円

【解答と解説】

正解:イ

解説:公式に当てはめて計算します。①変動費率を求める:変動費 5,000万円 ÷ 売上高 1億円 = 0.5②限界利益率を求める:1 - 0.5 = 0.5③損益分岐点売上高を求める:固定費 3,000万円 ÷ 限界利益率 0.5 =6,000万円したがって、売上高が6,000万円のときに利益がゼロとなり、6,000万円を超えた分から黒字となります。

演習2:セキュリティ自動化ツール導入におけるROIと回収期間の評価

〔背景〕EC通販R社では、年間1,000万円の外部委託費用をかけて手動で行っていた不正ログイン監視業務を、AIセキュリティ検知ソフトウェアの導入によって内製化・自動化したいと考えている。

〔導入計画〕ソフトウェアの初期導入費用は2,400万円であり、導入後は年間200万円のクラウド保守費が発生するが、外部委託費(年間1,000万円)は全額削減できる。したがって、年間の純削減効果(年間利益)は 1,000万円 - 200万円 = 800万円 と見込まれる。

〔設問〕この投資における「回収期間」および「初年度ROI(投資利益率)」として、正しい組み合わせはどれか。

  • ア:回収期間:3年 ── ROI:33.3%

  • イ:回収期間:2.4年 ── ROI:41.7%

  • ウ:回収期間:4年 ── ROI:25.0%

  • エ:回収期間:12年 ── ROI:8.3%

【解答と解説】

正解:ア

アが正解です。年間純削減効果800万円が毎年一定で、追加費用や割引等を考慮しない条件では、回収期間は2,400÷800=3年。ここで定義した1年間のROIは800÷2,400×100≒33.3%です。実際に効果が永続することを保証する計算ではありません。

4. まとめと試験直前チェックリスト

  • 損益分岐点売上高=固定費÷(1−変動費率)。期間と費用条件を合わせる。

  • 限界利益は売上から変動費を引いたもの。まだ固定費を差し引く前の金額。

  • ROIでは、何を利益とし、どの期間で測るかを確認する。

  • 回収期間の簡易式は、一定の純キャッシュフロー等の前提を確認する。

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IPA:情報セキュリティマネジメント試験 シラバス Ver.4.1

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