テスト進捗とバグ曲線|欠陥数・網羅性・残るリスクの評価
累積の欠陥数が横ばいになっても、テストが十分に進んだとは限りません。未実施のテストが残っている、環境が止まっている、重大な欠陥で後続確認ができない、といった理由でも検出数は増えなくなります。
バグ摘出曲線は、実施量、対象機能、欠陥の重大度、修正と再テストの状況と組み合わせて読みます。曲線の形だけで出荷や本番移行の可否を決めないようにします。
本文の演習は学習用のオリジナル事例です。解答例の表現は一例で、公式問題の解答・配点ではありません。
1. 量と内容を分けて確認する
確認項目 | 示すもの | 曲線だけでは分からないこと |
|---|---|---|
累積欠陥数 | 期間中に検出した件数 | 未発見の欠陥数は直接分からない |
テスト実施・合格数 | 消化状況と結果 | 重要な条件の網羅性は別に確認する |
未解決・重大欠陥 | 残る影響と対応の優先度 | 少数でも業務停止の原因になり得る |
修正・再テスト | 修正が有効かの確認 | 修正済みの報告と検証完了は異なる |
Gompertz曲線などの信頼度成長モデルは、検出の推移を近似する方法です。モデルやデータが合うことを前提とし、必ずS字になる、平たんになれば品質が保証される、とは考えません。
2. 停滞や急増の背景を調べる
欠陥数が止まったら、同じ期間の実施件数と合格件数を確認します。計画の後半に難しい条件が集中していないか、入出力の境界・例外・権限・外部連携が残っていないかも見ます。
欠陥が急増した場合は、未確認の機能へ進んだ結果なのか、仕様変更や修正の影響なのかを分類します。根本原因と関連箇所を調べ、重要機能の再テスト・回帰テストを計画します。件数だけで設計全体をやり直すと決めるものではありません。
工程完了条件には、重要テストの合格、残る欠陥の評価、修正の検証、運用上の回避策や承認を含めます。試験問題でも、表やグラフに加え、本文の「未実施」「環境障害」などの情報を答案の根拠にします。
演習1:横ばいの曲線を判断する
条件:総合テストの欠陥数は5日間横ばいだが、外部接続環境が停止し、重要な決済テストは未実施である。
問い:曲線の横ばいを品質安定と判断できない理由を述べよ。(35字以内)
解答例:重要テストが未実施で、欠陥を検出する機会が不足しているため。(30字)
根拠:環境停止による実施不足が、検出数の停滞を説明します。
確認ポイント:既知欠陥が少ないことと、必要なテストが完了したことを混同しません。
演習2:修正後の確認
条件:連携データの形式不一致を修正した。同じ共通処理を複数の画面とバッチが利用している。
問い:工程完了前に必要な検証を述べよ。(40字以内)
解答例:修正箇所を再テストし、共通処理を使う関連機能の回帰テストを行う。(32字)
根拠:対象の修正が有効かと、関連機能へ副作用が出ないかを分けて確認します。
確認ポイント:修正報告だけで合格扱いにすると、修正漏れと副作用を見逃すおそれがあります。
3. 完了判定の着眼点
実施量と重要条件の網羅性を確認したか。
未解決の重大欠陥と回避策を評価したか。
修正後の再テスト・回帰テストは完了したか。
曲線の形ではなく合意した完了条件で判定したか。
出典と仕様を確認する
IPA:PMシラバス Ver.7.1
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