EVMによる進捗・コスト分析|CPI・SPI・EACの読み方
EVMは、計画した作業、実際に完了した作業、実際に使った費用を、同じ予算上の尺度で比較する方法です。支出額や担当者の感覚的な進捗率だけで、成果物の完成を判断しないようにします。
CPI・SPIは状況の手掛かりであり、原因や最終結果を直接示すものではありません。成果物の完了条件と、予測式が置く前提を確認してから、追加対策や予算の判断につなげます。
本文の演習は学習用のオリジナル事例です。解答例の表現は一例で、公式問題の解答・配点ではありません。
1. PV・EV・ACと指標
指標 | 計算・意味 | 読み方 |
|---|---|---|
PV | その時点までに予定した作業の予算価値 | 計画上の出来高 |
EV | 実際に完了した作業の予算価値 | 費用実績や売上ではない |
AC | 完了した作業に実際に使った費用 | 同じ集計時点・範囲で比較する |
CPI | EV÷AC | 1未満は予算価値に対して費用が多い |
SPI | EV÷PV | 1未満は予定した出来高に届いていない |
CV・SV | CV=EV-AC、SV=EV-PV | SVは金額換算の差であり遅延日数ではない |
EVの測定方法は、成果物の性質に合わせて事前に決めます。0/100法は完了時に計上し、50/50法は着手と完了で半分ずつ計上します。後者は未完了作業でも一部を計上するため、方式を混ぜて都合よく進捗を大きく見せないようにします。
2. EACは、残作業の前提で式を選ぶ
今後も現在の費用効率が続くと仮定する場合、EAC=BAC÷CPIを使えます。BACは完了時総予算、EACは完了時総費用の予測です。一時的な超過で今後は計画どおりと考える場合は、EAC=AC+(BAC-EV)という別の前提になります。
残作業を新たに積み上げて見積もるなら、EAC=AC+ETCです。予測を報告するときは、式の前提、残作業、変更やリスクを添えます。単一の数字だけを確定費用として扱わないようにします。
SPIが低い場合は、工程表の依存関係とクリティカルパスも確認します。作業完了時にはEVとPVがともにBACとなり、遅れて完了してもSPIは1に戻り得ます。SPIだけでは完了までの遅延日数を測れません。
演習1:費用と進捗を区別する
条件:PV=6000万円、EV=4800万円、AC=6000万円、BAC=1億2000万円である。
問い:CPI・SPIと現状を述べよ。(40字以内)
解答例:CPIとSPIは共に0.8で、費用効率と出来高が計画未達である。(32字)
根拠:CPI=4800÷6000=0.8、SPI=4800÷6000=0.8です。予算価値で見た進捗と費用効率を区別して評価します。
確認ポイント:SPI=0.8から工期が20%遅延したとは直接判断できません。
演習2:EACと超過額を報告する
条件:今後も現在のCPI=0.8が続くと仮定する。BACは1億2000万円で、予算超過の見込みは決裁者へ報告する。
問い:EACと超過見込み額を述べよ。(40字以内)
解答例:EACは1億5000万円で、予算を3000万円超過する見込み。(31字)
根拠:1億2000万円÷0.8=1億5000万円、差額は3000万円です。報告では前提と回復策も示し、必要な予算・範囲の判断を求めます。
確認ポイント:現在の予測を隠したり、根拠なくCPIが回復すると仮定したりすると意思決定を誤らせます。
3. 指標を判断に使う条件
PV・EV・ACの時点・単位・対象範囲が一致するか。
出来高の測定方法と完了条件を事前に決めたか。
EACの前提と残作業の見積を説明できるか。
工程表・品質・変更要求も合わせて確認したか。
出典と仕様を確認する
IPA:PMシラバス Ver.7.1
PMI:Cost management for project managers
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