ガイドPM

クリティカルパスと遅延回復|クラッシング・並行化の判断

公開: 2026-10-03更新: 2026-10-05
プロジェクトマネージャ試験(PM)のクリティカルパスと遅延回復を学習。工程の遅れを回復するには、残る作業の依存関係と所要期間を更新し、完了日を左右する経路を確認します。進捗率の低い作業に人を増やすだけでは、全体の期間を短縮できるとは限りません。事例と解答例で、条件に合う判断と記述の根拠を確認します。

工程の遅れを回復するには、残る作業の依存関係と所要期間を更新し、完了日を左右する経路を確認します。進捗率の低い作業に人を増やすだけでは、全体の期間を短縮できるとは限りません。

クリティカルパス、余裕、要員や環境の制約を読み取り、短縮できる作業とその費用・品質リスクを比較します。複数の経路が同じ長さなら、一つの経路だけ短縮しても完了日は変わらないことがあります。

本文の演習は学習用のオリジナル事例です。解答例の表現は一例で、公式問題の解答・配点ではありません。

1. 作業の余裕と最長経路

項目

意味

計算・注意

最早時刻

先行作業がそろう最も早い時刻

前進計算で先行完了時刻の最大を使う

最遅時刻

完了期日を守るための最も遅い時刻

後退計算で後続開始時刻の最小を使う

トータルフロート

全体の完了を遅らせない作業の余裕

アロー図では終点の最遅-始点の最早-期間

クリティカルパス

完了時刻を決める最長の経路

通常の制約のないCPMでは余裕0の作業をたどる

結合点の最早・最遅時刻が同じことだけでは、その間のすべての作業がクリティカルとは限りません。作業ごとの余裕を計算します。固定期限、ラグ、資源制約がある場合は、問題で指定された条件も考慮します。

2. 短縮策と、実施前の確認

クラッシングは資源を追加して期間を短縮する方法です。追加費用、受け入れや教育の負担、分担可能な作業量を評価します。増員で必ず短縮できるという意味ではありません。

ファストトラッキングは、順次進める予定の作業の一部を重ねる方法です。先行成果物の確定度、後続作業の開始条件、手戻りや追加テストの影響を確認します。追加コストが発生しない保証はありません。

短縮後は経路を再計算します。短縮前は余裕があった経路が、新しいクリティカルパスになることもあります。非クリティカル作業でも共有資源を占有する場合は、資源調整によって全体の遅れに影響します。

演習1:残工程の短縮対象

条件:Cは15日、Dは12日で同時に開始する。EはCの後に10日、FはCとDの後に8日、GはEとFの後に5日。Gの開始を2日前倒しする必要がある。CとEはそれぞれ2日短縮可能である。

問い:Gの開始前に短縮する作業と理由を述べよ。(35字以内)

解答例:C又はEを短縮する。Gの開始を決める最長経路上のため。(27字)

根拠:C-E-Gは30日、C-F-Gは28日、D-F-Gは25日です。C又はEを2日短縮すると、全体は28日となります。G自体の短縮ではGの開始日は早まりません。

確認ポイント:経路の長さだけでは最小費用を決められません。この条件には費用比較の情報がありません。

演習2:並行化の前提

条件:Cの一部の機能がテスト完了したため、その機能を使うEを先に開始する案が出た。

問い:手戻りを抑えるための事前確認を述べよ。(40字以内)

解答例:並行開始する対象機能の仕様確定と先行テストの合格を確認する。(30字)

根拠:対象を切り分け、未確定部分の変更が後続の負荷テストへ与える影響を評価します。

確認ポイント:全体の進捗80%という値だけでは、対象機能が使えるか分かりません。

3. 計算後に判断すること

  • 依存関係・所要日数・開始条件を更新する。

  • 作業ごとの余裕と複数の最長経路を確認する。

  • 短縮可能日数、費用、品質、共有資源の制約を比較する。

  • 短縮後の経路と完了時刻を再計算する。

出典と仕様を確認する

IPA:PMシラバス Ver.7.1

PMI:Critical path or critical chain

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