CCPMとバッファ管理|資源制約・要員競合への対応
CCPMでは、作業の依存関係に加えて資源の競合を考え、完了を左右するクリティカルチェーンを管理します。同じ専門要員を複数の作業へ同時に割り当てると、論理上は並行できても計画どおり進まないことがあります。
個別作業の余裕を見直し、プロジェクトバッファや合流バッファで変動に備えます。見積を一律に半分へ削ればよいという方法ではなく、実績、作業特性、資源の利用条件を踏まえて計画します。
本文の演習は学習用のオリジナル事例です。解答例の表現は一例で、公式問題の解答・配点ではありません。
1. クリティカルパスとの違い
項目 | 役割 | 判断の注意 |
|---|---|---|
クリティカルチェーン | 依存関係と資源制約から完了を左右する連なり | 共有要員の競合を考慮する |
プロジェクトバッファ | 最終完了を変動から守る時間の余裕 | 作業の遅れが消えるわけではない |
合流バッファ | 合流する非クリティカル側の遅れに備える | 配置と大きさは計画条件による |
資源の準備 | 必要な時点で資源を利用可能にする | 資源バッファは時間余裕だけでなく準備・通知の仕組みとして使う |
50%程度の達成確率を意図した見積や、余裕の一定割合を集約する説明は代表的なモデルです。確率や削減率を、全プロジェクトに共通する必須規則として扱わないようにします。
2. バッファ消費を、進捗と原因に結び付ける
チェーンの進捗に対してバッファがどれだけ消費されているかを見ます。例えば進捗30%、バッファ消費60%なら、完了予測や原因を確認する材料になります。これだけで、必ず赤ゾーンと決まるわけではありません。
色分けや対応開始の閾値は、組織が採用した管理方法と計画に従います。バッファ残量のほか、要員競合、成果物の品質、変更要求、回復策の副作用も確認します。指標を一つに絞って他の問題を見落とさないようにします。
担当者が切替えを繰り返すと、待ち時間や作業再開の負担が増えます。優先順位をそろえ、必要な条件が整った作業に集中し、品質条件を満たしたら後続へ早く引き渡せるようにします。
演習1:仕様変更による停止
条件:AGVシステムで通信仕様の改定が続き、制御開発が停止した。進捗30%に対しバッファ60%を消費し、組織の対応閾値を超えた。
問い:原因への対応と後続作業の回復策を述べよ。(40字以内)
解答例:メーカーと仕様の確定条件を合意し、後続作業の回復計画を実行する。(32字)
根拠:PMだけで外部メーカーの仕様を凍結できるとは限りません。確定期限、変更通知、代替テストなどを関係者と調整します。
確認ポイント:バッファの色だけを見て無条件に増員するのではなく、停止原因を解消します。
演習2:早期完了を後続へ渡す
条件:作業が予定より早く完了し、レビューと受入条件も満たした。後続担当者は利用可能で、必要な環境も整っている。
問い:担当者の引渡し行動を述べよ。(35字以内)
解答例:完了を直ちに共有し、成果物を後続担当者へ引き渡す。(25字)
根拠:早期完了の効果を後続作業へつなぎます。品質条件と開始条件が満たされていることが前提です。
確認ポイント:予定日まで待つと短縮効果が失われます。未確認の成果物を急いで渡す対応でもありません。
3. 計画と対応の確認
共有資源の利用期間と優先順位は明確か。
バッファの算定方法と対応閾値は合意済みか。
消費が増えた原因と完了予測を確認したか。
回復策を実行した後の残量・品質・資源競合を再確認したか。
出典と仕様を確認する
IPA:PMシラバス Ver.7.1
PMI:Critical path or critical chain
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