ガイドIP

ITパスポートの法務|著作権・営業秘密・個人情報の基本

公開: 2026-08-25更新: 2026-10-05
著作権で保護されるもの、営業秘密の3要件、個人情報・仮名加工情報・匿名加工情報の違いを整理。過去問で迷った法律の条件を確認できます。

法務の過去問は、「何を守る法律か」と「どの条件を満たすか」を区別すると解きやすくなります。著作権、営業秘密、個人情報の基本を確認しましょう。

法律の名称だけを暗記せず、保護される対象や例外を問題文に照らして判断します。実際の事案では条件の確認が必要ですが、ここではITパスポートの基礎知識を整理します。

1. 著作権法:プログラムとデータの権利

対象

著作権法での扱い

確認する条件

プログラム

創作性のある表現を保護

業務で作成すれば必ず法人の著作物になるわけではない

プログラム言語

プログラム著作物の保護は言語自体に及ばない

文法や仕様そのものと、説明文の表現を区別する

プログラム規約

インターフェースなどの規約自体には保護が及ばない

仕様書に含まれる創作的な文章や図まで一律に対象外になるわけではない

アルゴリズム

解法・アイデア自体には保護が及ばない

実装したソースコードの創作的表現とは区別する

データベース

情報の選択または体系的構成に創作性があれば保護

単なる事実の集積が必ず著作物になるわけではない

プログラムの職務著作は、法人等の発意に基づき、その業務に従事する人が職務上作成し、契約や勤務規則などに別段の定めがない場合に成立します。プログラムでは、法人名義で公表することは要件ではありません。

2. 不正競争防止法:営業秘密の「3要件」

企業のノウハウや顧客名簿が不正に持ち出された際、不正競争防止法によって法的に保護されるためには、以下の「営業秘密の3要件」をすべて満たしている必要があります。

要件

定義

具体的な対策例

1. 秘密管理性

秘密として客観的に管理されていること

「社外秘」のラベリング、パスワード設定、施錠保管、アクセス制限

2. 有用性

事業活動にとって有用な情報であること

顧客リスト、製造ノウハウ、新規製品の企画書、仕入原価データ

3. 非公知性

公然と知られていないこと

一般に知られておらず、通常の方法では容易に入手できないこと

3. 個人情報保護法:個人情報と要配慮個人情報

  • 個人情報:生存する個人を識別できる情報。ほかの情報と容易に照合して識別できるものや、法令で定める個人識別符号を含むものも該当します。メールアドレスなどは、その情報から識別できるかで判断します。

  • 要配慮個人情報:人種、信条、病歴など、差別や偏見につながらないよう配慮が必要な情報。取得には原則として本人の同意が必要ですが、法令上の例外もあります。

  • 匿名加工情報:特定個人を識別できず、元の個人情報を復元できないように加工した情報。適切な加工、安全管理、公表、第三者への明示などの義務を満たせば、本人の同意によらず提供できます。単に氏名を消すだけでは十分とは限りません。

  • 仮名加工情報:ほかの情報と照合しない限り特定個人を識別できないように加工した情報。第三者提供は原則禁止で、法令に基づく例外などがあります。利用目的の範囲で分析などに使い、統計だけに限定されるわけではありません。

4. 【確認問題1】著作権法で保護されるもの

【問題】著作権法において、保護の対象となる著作物として適切なものはどれか。

  • ア:創作性のある表現を含む、WebアプリケーションのJavaScriptのソースコード

  • イ:ソート処理を高速に行うためのクイックソートのアルゴリズム(手順の考え方)

  • ウ:プログラミング言語Pythonの言語仕様および予約語

  • エ:Web APIのHTTP通信におけるリクエスト電文のパラメータ規約

【正解】ア

解説

  • ア:正解。創作性のあるソースコードの表現は、プログラムの著作物として保護されます。

  • イ:誤り。アルゴリズム(解法の手順・アイデア)は著作権法では保護されません。

  • ウ:誤り。プログラミング言語の仕様自体は著作権法では保護されません。

  • エ:誤り。プログラム規約自体には保護が及びません。規約を説明する創作的な文章や図の扱いとは区別します。

5. 【実戦演習 問2】営業秘密の3要件の判定

【問題】不正競争防止法において「営業秘密」として保護されるための要件として、適切な組み合わせはどれか。

  • ア:秘密管理性、有用性、非公知性

  • イ:機密性、完全性、可用性

  • ウ:新規性、進歩性、産業上の利用可能性

  • エ:信憑性、完全性、否認防止

【正解】ア

解説

  • ア:正解。営業秘密の3要件は「秘密として管理されていること(秘密管理性)」「事業に有用であること(有用性)」「公然と知られていないこと(非公知性)」です。

  • イ:誤り。情報セキュリティの3大要素(CIA)です。

  • ウ:誤り。特許法における特許要件です。

  • エ:誤り。ディジタル署名や電子認証の特性です。

出典と仕様を確認する

IPA:ITパスポート試験シラバス Ver.6.5

文化庁:著作権テキスト

経済産業省:営業秘密

個人情報保護委員会:仮名加工情報・匿名加工情報編

次におすすめの学習

編集・検証について

編集・検証:IT資格ラボ編集部

IPAが公開する試験要綱・シラバス・過去問題と、各技術の公式資料を優先して内容を確認しています。制度変更や誤りを確認した場合は、記事を見直して更新します。

編集方針・情報源・訂正方針を見る
この記事を共有する